いつからこんなにズルイ人間になったのか。
ぁあ、ずっと前からか?
母をいい加減、過去から開放してあげたい
幸せになって欲しいと思う反面。
アタシは自分が可愛い。
母は男を見る目がない。
また失敗したら?
同じ事を繰り返すのが怖い。
知らない土地で、仲間と離れてアタシは一人で立って居られるのか・・・
不安でしょうがない。
結局
それで思い知らされる。
ずっと一人で生きて来たつもりで居たのは
アタシのたいした思い上がりだ。
「今夜・・・返事しなきゃいけない・・・」
「・・・・・」
そんな急に・・・
明らかに動揺を見せるアタシに、母は困った様に微笑んだ。
「やっぱり・・・断るわ・・・・・」
「・・・・・」
何も言えなくて、ただ立ち上がり洗面所に向かう母を、眺めていた。


