授業の始まりを告げるチャイムが鳴り響く。 ギュッと煙草を揉み消して、高貴が歩き出した。 「愛美!行かねぇの?」 「・・・行かない」 「不良少女め」 「うっさい」 横目で屋上のドアが閉まったのを確認して、ずるずるとその場にしゃがみ込んだ。 「あー何だかなぁ」 めっちゃいい天気。 そのまま寝転んで空を見上げて見る。 嫌だな。 アタシは曇りがいい。 まぶしいのは嫌いだ。 太陽も、光も、昼間の街も。 月や、闇や、全てを隠す夜の方がいい。