「待ってたの?」
「今来た。」
「何してんの?」
「・・・・」
「・・・・・」
高貴のわきには大きな茶色いバイオリンケース。
それに一度視線を落としてから、再び高貴を見た
「皆は?」
「もう酔い潰れてる」
「・・・・・」
酔い潰れてるって・・・
「ちょっといいか?」
「・・・・・?」
アタシの腕を掴むと、引きずる様に歩き出す。
わけもわからぬまま、たどり着いたのは
駅ビルの屋上。
大きなツリーが飾られていて、キラキラとライトが点滅している。
階段の段差に、並んで座った。
さっきから黙ったまま携帯をいじる高貴を見上げて、溜息をついた時
ふいに高貴が口を開く。


