「・・・・・」
何故か緊張しながら、店員がそれを丁寧に包んでいくのを眺めた。
「プレゼントですか?」
「・・・はい。」
女の店員がにこやかにアタシを見て言った。
「じゃあ、お揃いですね」
「・・・・は?」
お揃い?
「お客様の指輪、ルビーですよね?これはサファイア。どちらも元は同じ石なんです。」
「へーそうなんですか」
思わず関心してしまった。
しかもこれルビーなんだ。
「素敵ですね。きっと喜ばれますよ?」
「・・・・・」
何が素敵なのかわからないけど、喜んでくれたらいいな・・・そう思った
好きなの?
そう尋ねた母の言葉を思い出す。
アタシは
那智が・・・・
好きなのかな・・・?
悲しい顔しないで、笑ってて欲しいんだ。
でもね
白井の事が頭から離れないの・・・
心配で心配で
一人で寂しくないかな
とか
ご飯食べてるのかな
とか
そんな事を思ってしまう
アタシは、後一歩が踏み出せない。
優柔不断のダメダメだ。
その後本屋で、写真集を一冊買った。
これは高貴とアタシの為
使い道は内緒・・・


