帰り際、
美咲を駅まで送りながら、久しぶりに二人きりで話す気がする。
「愛美クリスマスプレゼント何がいー?」
嬉しそうにはしゃぐ美咲に細く微笑んだ。
「美咲がくれる物なら何でも?」
「ぶ~っ。」
頬を膨らましてアタシを見る。
「あ、じゃあ絵の具が欲しいな。」
「絵の具?また絵描き始めたの?」
改札口で立ち止まり振り返った。
「ううん、描き始めるの。これから。」
「ふふっ、わかった♪」
ニッコリ笑って美咲は片手をあげた。
「じゃあねっ!」
「うん。また。」
美咲の背中が見えなくなるまで見送って、体を翻すと・・・
「愛美!」
名前を呼ばれ
思わずビクッとしてしまう
振り向くと向こう側から駆け寄ってくる高貴が見えた。


