ROSE~AI (ノンフィクション

{新着メール 1件}


那智が帰り際に置いていったアタシの携帯。


受信BOXを開くと


まだ読んでいないのに、開封済みになったメールがいくつかあった。



美咲が確認したんだろう


こんな時だから、読まれてたって別に不快には感じない。



1件づつ開いていく。


{久しぶり~暇なら学校遊びに来いよ}千田


{携帯が手元に返ったらすぐに電話しろ}祐樹


{明日、美咲が電話するって。俺も話したいよ}竜


みんなきっと心配してる


それだけで少し救われた様な、苦しくなる様な思いになる。



祐樹に電話するか一度躊躇い、そのまままた受信BOXを確認した。


新着メール

{また連絡する。}那智

今さっき届いたメールだ。


「・・・・・」

少し悩んで、返信ボタンを押す。


{もう連絡も出来ない}


「・・・・・」

きっとこれが最後のメールかもしれない。


そう思っていると、すぐに携帯が震え始めた。


ブーッ・・・ブーッ・・


{着信中 那智}



躊躇しながらも、静かにゆっくりと・・携帯を耳元にあてた。


「はい・・・・・」

「俺・・・」

「うん。」

「見張りでもつけられてんの?」

さっきとは違う、少し落ち着いたいつもの那智の声だった。


「そう・・・。見つかったらまた元通り。」

「・・・・・・」


「明日も昼には迎えが来る。竜が紹介してくれたバイトの面接も行けない。明日から倉木にはもう会えないし喋れない」


自分で言ってて悲しくなってくる。


自分で決めた事なのに、逆らえない道を歩かされてる様な錯覚に陥る。


馬鹿みたいだ。