「・・・・・」
「愛美とおんなじ目した奴、俺知ってる・・・」
「・・・・え」
そう言ってアタシを優しく見下ろす。
那智の方が泣きそうな顔してるのは何で?
誰を想ってアタシを見てるの?
ねぇ那智・・・・
アタシは・・・・・
多分那智を困らせるよ?
だって何だか
もう・・・・・
「・・・・!」
アタシが手をのばす前に、アタシの体は那智の腕に包まれてた。
ふわっと、甘い香りがする。
「な・・・」
「何かもうだめかも」
那智?
「・・・・・ん」
顔を上げようとしても、力強い腕で那智がそれを妨げる。
「俺、お前が可愛くてしかたない・・・・」
「・・・・・」
那智が放つ言葉。
いちいちそれに反応してアタシの胸は高鳴る。
ようやく緩んだその腕から、そっと体を離して・・・
那智をジッと見つめた。
柔らかな笑顔を向けて、那智がアタシの頬を片手で包む。
少し、那智が腰を曲げて
そっと・・・・・
唇が触れそうな距離
那智の
長いまつげが、
潤んだ瞳に影をつける


