ROSE~AI (ノンフィクション

何が悲しいんだか。

アタシは部屋の隅で膝を抱いたまま、ギューッと自分の体を丸めた。


涙はどこに行った?


ああ、そうか。


アタシの中のもう一人の支配者が、どこかで泣く事を拒んでる。


一度流れ出してしまえば、もう強くは生きていられなくなるから。


母みたくなるのは嫌だ。



~♪ ~♪

携帯がオルゴール調のメロディを鳴らす。


丸まったまま、そっと手をのばした。


{新着メール 1件}



「・・・・・」

片手でカチカチと操作してる間に、新たな受信メールが1件。


「・・・・」

また1件。



{なんかあったのか?大人しいと気持ち悪いぞ。俺は晴れたから今から仕事だ。また連絡する}

全く、失礼な祐樹。


{黒髪似合ってたよ♪寂しくなったら電話してねっ!飛んでくから~}

竜らしい・・・
てか染めたの気付いてたんだ。


{無理すんなよ。}

雅・・・。
いい加減なくせにいつも1番的をつく。



「・・・・ありがと」

小さく呟いた。


多分みんなは

母が帰って来てから、アタシが上の空だったの気付いてた


ありがと。


目を閉じて、そのまま、体を横たえた。



ピーンポーン

ピーンポーン

眠りに誘われる頃、それを呼び止める様に、呼び鈴が鳴った。