「バイクのが早いともったからさ、バイクで来たらびしょ濡れになっちゃったよ。」


「当たり前だよ。」


そう言ってテーブルに熱い紅茶を置いた。


ソファに腰をかけて、タオルで髪をゴシゴシ拭く那智。


そんな姿もさまになる。


その仕種を眺めていると、ふと顔を上げた那智と視線がぶつかった。


「・・・・」

「・・・・」

ヤバイ

見とれてた・・・


「あー、これ。」

気まずそうに視線を外した那智が、コンビニ袋をテーブルに置いた。


「何?」

首を傾げるアタシに、那智はニコッと笑う。


「約束したでしょ?」