「じ、じゃあ‥‥歩‥」

「ん、よろしい♪」



歩は自分の右手を、私の頭の上でポンポンさせて笑った。




「‥‥‥‥に‥」

「へ?なんか言った?」

「歩、なんで学校ではそうやって笑わないの?」

「は?‥あー‥‥まぁなんとなく?」

「‥‥‥なんだそれ」



歩って‥‥よくわかんない‥




「あ、俺ここ右やねんけど」

「あ‥私左‥‥」

「そか、じゃあまた明日な!」

「う、うん、じゃね」


そう言って1人歩き始めようとした時、グイッと誰かに手を後ろに引っ張られた。



‥って言っても、そこには歩しかいないから、明らかに歩なんだけど‥



「‥‥なに?」

「メアド、教えてくれへん?」

「ぁあ、いいよ」



私はブレザーのポッケから携帯を取り出し、赤外線で歩にメアドと携帯番号を送ってからまた歩きだした。