無償の想い

そうしているうちに私の家が近づいてきた。

二人っきりのドライブももう終わり。

これが彼女だったりしたら堂島さんの家まで一緒なんだろうな…

せっかくメアドも分かったのにメールを送ることなんて無いんだろうな。

もちろん、堂島さんからメールが来ることなんて…

せめて帰る前に｢メールしても平気ですか？｣って聞きたい。

聞きたいけれどなにやら考え事をしているっぽい堂島さん。

ああーどうしよう。。

ここで言わなかったらもう言うタイミングは無いと思うし…

なんて妄想していたら私の家を通り過ぎてしまった。

慌てて運転手さんに停車を求める私。

なにやら考え事をしていた堂島さんも私の慌てぶりに驚いていた。

｢あ、家通り過ぎちゃった？運転手さん、ちょっと戻って｣と堂島さん。

だけど面倒をかけたくなかった私は｢ここで大丈夫です｣と言った。

車を降りると堂島さんも降りてきてくれた。

｢家は近いの？そこまで一緒に行こうか？｣

本音は来てもらいたいけどそこは我慢。

そんなにワガママ言っちゃ悪いよね。