帰りのタクシーの中、酔い潰れた武を充が送って行く時の事。

｢今日は久し振りに武と飲んで楽しかったよ｣と充。

｢俺も楽しかった。理子ちゃんも元気そうにしてたじゃないか｣と武。

｢今日は、あの子がいてくれたお陰かな？｣

｢アイツは天然な所もあるし、一緒にいると結構楽しいからな｣

｢へぇーよく知ってるなぁ。さすが頼りになる先輩だな｣と充がからかう。

｢俺の事はどうでも良いけどさ。オマエ、理子ちゃんを幸せにしてやれよー｣と武。

｢そうだな、幸せにしてやらねーとな｣と外を見ながら言う充。

｢…まだ悩んでるのか？｣

｢……ああ｣

｢そうか…また時間作って相談乗るよ。今日はそう言う話出来なかったしな｣

｢いつも悪いな。こう言う相談出来るのって武しかいないんだよ。他の奴にはどうも…な｣

｢嬉しい事言ってくれるじゃねえかよ！オイ！｣

と充の背中を叩く。