無償の想い

お店の前には何人か並んでいる。

「お、今日のおススメはしょうが焼きか。俺好きなんだよねー」

相変わらず能天気な武。

「ねえねえ!最近堂島さんたちと遊んだりしてる?」

「最近は遊んでないなぁ。何で?」

「ううん。別に。なんとなく」

武には特に連絡はしていないようだ。

と、言う事は理子さんの近況も知らないという事か・・・

「あ、そういえば一昨日ぐらいに充からメール着てたんだった。プレゼンの事が忙しくて忘れてた」

「一昨日の事を今思い出すなんて。それで何て入ってきてたのよ?」

「ちょっと待ってろよ・・・」

そういって携帯を取り出しメールの履歴を見る武。

「あったあった。えーと・・・『明日の夕方時間あるか?連絡くれ』だと。やべえ連絡してねえや」

「何か緊急の用があったんじゃないの?電話してみたら?」

「妙に食いつくなあ・・じゃ、飯食ったらな。さ、入ろうぜ」

一昨日って事は昨日の事と何か関係があるのかな・・・

ちょっと私もブレーキかけないと武に変に思われちゃう。

ここはいつもの落ち着きを取り戻さないと。