四角い関係。




練習もなく入学式がスタートした。


入場を終えた私達は、1人ずつ席についていく。



ってか…。


「なんで私の隣がアンタなの」


「知らねぇよ」



1番の私の隣に、何故か「江田」の悠太がいる。


どうやらこのクラス、


“あ”から始まったのはいいが、“い”と“う”がいないらしい。


そして江田の次には「遠藤」の大樹が座っている。


そしてそして私達から少しはなれた2列目の一番隅には、


少し顔色のわるい美紅の姿がある。


美紅、大丈夫かな…。


緊張してんのかもしれない。



私、悠太、大樹、と次々と名前を呼ばれ、


立っているけど私は美紅が心配でしょうがない。


今にも倒れそうになっている。



そしていよいよ美紅の番だった。


「高元美紅」


名前を呼ばれ、「はい」とか細く返事をした美紅が、


立ち上がろうとしたその時だった。