*
練習もなく入学式がスタートした。
入場を終えた私達は、1人ずつ席についていく。
ってか…。
「なんで私の隣がアンタなの」
「知らねぇよ」
1番の私の隣に、何故か「江田」の悠太がいる。
どうやらこのクラス、
“あ”から始まったのはいいが、“い”と“う”がいないらしい。
そして江田の次には「遠藤」の大樹が座っている。
そしてそして私達から少しはなれた2列目の一番隅には、
少し顔色のわるい美紅の姿がある。
美紅、大丈夫かな…。
緊張してんのかもしれない。
私、悠太、大樹、と次々と名前を呼ばれ、
立っているけど私は美紅が心配でしょうがない。
今にも倒れそうになっている。
そしていよいよ美紅の番だった。
「高元美紅」
名前を呼ばれ、「はい」とか細く返事をした美紅が、
立ち上がろうとしたその時だった。
