近づいてくる悠太に思わず心臓を高鳴らせ、
まともに目もあわせられない状況にいる。
「なんだ? そんなに俺の顔見るのが嫌なのかよっ」
「い、いや…、そういうワケじゃないけどさぁっ。 もう、早くどっか行ってよ!」
「どっか行けっていう言い方はねぇだろ、バカ詩織」
「…悪かったわね、バカで」
素直になれないんだ、しょうがないじゃん…。
モヤモヤした気持ちのまま、私達は教室に向かうことにした。
気を取り直して………。
今日から私達4人は、藤ヶ丘高校1年3組となりました!
「いやー、やっぱり私達って運命感じるよね♪」
いつもよりも上機嫌なのが声でハッキリと分かる美紅。
顔もにこやかで、そんなに4人一緒が嬉しいんだなぁ。
「僕も運命だと思うよ、また詩織ちゃんと美紅ちゃんと悠太と一緒だなんて」
草食系ボーイ…いや、大樹もにこにことして廊下を歩いている。
そんな2人の後ろに私と悠太が追いかけるような形で歩いている。
なんでよりによって隣を歩くの…、気まずい。
さっきあんなこと言っちゃったし…
“早くどっか行ってよ!”
なんだかんだで、悠太も気にしてるだろうな…。
謝りたいけど、今は無理ぃぃぃぃ…!
