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藤ヶ丘高校の校門前には、
たくさんの人だかりができている。
この人達、みんな今日入学する人たちなのかな?
だとしたら相当人数いるなぁー。
私、馴染めるんだろうか。
ふと不安になりつつも、4人一緒に校門をくぐった。
「わぁ、すごい!」
満開の桜に目を奪われる。
そこに、私のブレザーの袖を弱い力でくいくい、と引っ張ってきたのは…
「詩織ちゃん、クラス表見に行こうよ」
大樹だった。
大樹はほんとに、弟みたいで可愛いなぁ。
「どこどこ? クラスどうかなぁ、4人一緒かな?」
クラス表が掲示されている掲示板の前まで大樹に案内してもらうと、
すでに美紅と悠太がそこにいた。
うそっ、いつの間に!
「いつの間に来てたの!」
「詩織が桜の木に見とれてる間に、置いてきちゃった、へへ」
そう言ってニッコリ笑う美紅の表情も、今日はよりいっそう明るかった。
最近体調も良いみたいだし、美紅、楽しそうだな。
