「ごめんね、わざわざ来させて…。 体調はどう?」
「大丈夫だよ! 待ちきれなくて、詩織ん家来ちゃった」
この子は私の幼なじみの、高元美紅。
昔から体が弱くて、体調を崩しやすい美紅だから、
小学校や中学校の時はいつも私が迎えに行ってたのに。
…やっぱ美紅も高校に入学ってなると、ちょっと大人っぽく見えるなぁ。
なんだかんだで美紅は美人なのに、恥ずかしがりやってゆーのももったいない。
「じゃあ、行こっか♪」
私はブレザーの中に入り込んだリボンをクイッと出すと、
真新しいローファーに足を入れた。
「あれ、アンタ達も来てたの!?」
玄関のドアを開けると、そこには2人の男子。
目を丸くした私に美紅は笑いながら、
「せっかく同じ高校入学したんだからさ、私達、これからもずっと一緒に通おうよ! ね? いいでしょっ?」
と言った。
確かに、幼稚園から幼なじみで、まさか高校も同じトコに入学するなんて思わなかったけどさ。
…実は、私の前にいる2人の男子達も、私の幼なじみなのです。
