「…行く気ないじゃん」

蓮は全く準備されていないスクールバックを見ながら、言った。

「…」

「昨日、電話したんだけど」

「…知らない」

「…まぁ、いいや。
来た理由そのことじゃないし」

「え…?!」

「…」

「ぁ、ぇっと…」

「…はぁ、いいよ、それに怒ってるんじゃないから」

やっぱ怒ってるんだ…。

「お前のお母さんから、昨日電話きたんだけど」

「へっ?!」

「俺のバイト先、見にきたんだってな」

「…ぁ、うん。お母さんに…教えて、もらって…」

「そんで、泣いてたって」

「っ!!」

「桃嘉、なんで泣いた?」

「…ッ」

言えるわけないじゃん…。

堤さんに嫉妬して、

何も話してくれない蓮にイライラしてた、なんて…。