「れん…怒っ、た…?」
「…別に」
俺は立ち上がり、飲み終わったコップを自分の机に置いた。
はぁ…コイツ、なんもわかってない。
そういう風に、上目遣いするから俺我慢すんだよ、バカ。
桃嘉を見ると、あからさまにショボンとして、下を向いている。
そんな姿が可愛くて、俺は必死に理性を抑えて、桃嘉の頭をそっと撫でた。
「怒ってない。勉強、するんだろ?」
「…うんっ!」
桃嘉はリュックの中から、数学の教科書とノートを取り出した。
「わかんないの、どれ」
「ぇ…蓮は? やらないの?」
「もう午前中に終わらせた」
「ぇえ?!」
「その方が、効率いいだろ」
「…なんか…ごめん」
「なんで桃嘉が謝るんだよ。謝るんなら、宿題早く終わらせろよ」
「が、頑張ります…」
桃嘉は、教科書に目を移した。

