「……っ、」 首筋を這う舌が、冷たい。 どんなに手が冷たい男だって、普段は外気に触れないそれは熱かった。 それなのに今は冷たい。 こんなことにも、コイツが雪男だって実感させられているようで。 「ヤっ……」 「…どうして?」 首筋に触れたまま喋るものだから聞き取りにくいはずの声も、はっきりと聞こえてしまう耳が憎らしい。