「─…と、言うわけで、さっき配ったプリントを保護者の方に渡すように。もちろん、お前らもざっとでいいから目を通しておけよー」
目の前の机には大量のプリント。
内容はほとんど"高校受験"について。
「じゃ、今日はこれで終わりだ。また明日」
今日からこのクラスの担任になった松原(まつばら)先生が気だるそうに締めの言葉を放った。
「おーい、柚葉。帰るぞー」
そう言ったのはもちろん隣の席の空。
「あっ、待って待って!」
私は慌てながらも折れないようにプリントをファイルに入れる。
こういう所で性格が表れるよね、なんてことを思う。
ファイルを規定の鞄に入れていると後ろからがばっと誰かから抱きつかれた。
「わわっ!?」
いきなりされたため、前に倒れそうになった。
するとふわっと背中が軽くなった。
「こら、小木。柚葉が困ってるだろ」
後ろを見ると空につまみ上げられた私の親友の奈美がいた。
…まぁ、私に抱きついてくる人なんて奈美位だけど。
