「…そっか」
そう言って奏は自転車から降りた。
「んじゃぁさ、一緒に行こう?」
「うん」
奏は自転車を手で押して進む。
改めて思う。
奏は優しい、と。
私も再び歩き出す。
「いよいよ文化祭だなー」
先に口を開いたのは奏だ。
「本当だね。この1週間、早く感じたよ」
「俺も。そのほとんどが焼きそば作りだったけどな」
私と奏は笑う。
「確かに。ひたすら作ってたもんね。しかも日に日に腕上がっていってたし」
私は毎回奏が作った焼きそばを食べていた。
最初もかなり美味しかったけど、今はびっくりするほどの腕前だ。
毎回のように焼きそばを食べれた日々が夢のようだったな…。
