彩は部活で一緒に帰れなくて、仕方なく一人で帰った。
学校を出て、家にとぼとぼと歩いている途中
急に雨が振ってきた。
あ~傘持ってないよ。
…と思っていたらなんか頭に雫たちが落ちない。
あれ?
と思って、上を見たら傘がある。
えっ?
びっくりして横を見た。
あっ!山崎くんじゃん!



「ごめんね。」
「いいよいいよ。」 
「でも家近いしいいよ」
本当はちょっと遠いんだけど…
「俺、風邪引いてもいいし。
ほら。素直に使えよ。」
「え?ごめんね。
じゃぁ一緒に帰ろっ。」
「いいの?付き合ってるわけでもないんだから。」
「いいよ。山崎くんはただの友達だしね。
でしょ?」
「……う…ん。
そうだね。俺らダチ!これからもよろしく。
あはは。あはは。」
山崎くんはなぜだか悲しげに笑った。あたしなんかしたかな?
イヤ。話したの委員会以来だし悪いことさてないはず。
まぁいっか。わざわざ聞くほどじゃないし。
聞けるようなことじゃぁないし。




一緒に帰った。
「そういえば大島の家ってどっち?」
「んとね。そこの公園を左に曲がって、○○スーパーの次の信号をまた左だよ!」
「結構遠いじゃん。近いとかいって!」
「ごめんごめん」
そういってあたしたちは笑っていた。
「山崎くんて優しいよね。」
「そうか?まぁ大島には負けるけどな。」
「何それー。あたし優しくないよぉ」
「優しいって。」
「優しくない!!!」
「じゃぁ俺の中で優しいって事で。」
「もう。」
でも本当に山崎くんはユーモアがあって面白い。
優しいしいい人だなぁ。