でもなんかドキドキしてる…
きっと現実なんだ。
あたしはまた夢か現実かわかんなくなっちゃた。
これもきっと現実。ちゃんとした現実?
うん。現実。イヤ。夢?どうなんだろう?
でも私今、死のうとしたんだよ?なんでこんなに冷静でいられるんだろう。
本当、恋って不思議。
怖かった気持ちが今は安心に変わってる。
淋しかった気持ちが嬉しさに変わってる。





「なんで?なんでいるんですか?」
「いちゃだめ?」
「え?いゃ。」
「ってかなんで死のうとしてんの?何があったの?」
「私…いじめにあったんです。なんか学校に行ったら靴が泥まみれで、教室へ行けば航輔先輩との写真貼ってあって……他にはあたしの物無くなっていたり、嫌な言葉いっぱいメールで送られてきて知らない電話番号からもいろんなこと言われて、彩とも喧嘩しちゃって、もう悲しくて…悔しくて…怖くて…淋しくて…いつのまにか、変なことしようとしちゃってたみたいです。あっ。でももう大丈夫です!すみません。」
「ぜんぜん大丈夫じゃないだろ!」
そういって私はいつのまにか航輔先輩の胸の中にうずくまっていた。
「今だって震えてるし、顔色悪いよ?どこが大丈夫なんだよ?悲しいなら悔しいなら怖いなら淋しいなら、友達と喧嘩したなら、俺のところくればいいじゃん。別に俺気にしてないし。写真なんか。俺の教室にも張ってあったから。誰かのところに相談しにくればいいじゃん。死んでからじゃ遅いぞ?後悔するぞ?もう遅いんだよ。手遅れなんだよお!
だからもう自殺なんて行為するんじゃねーぞ?」
「…はい。」
「ん。」
「でも先輩?彼女さんに怒られない?私と一緒にいて。」
「美希?なら最近喧嘩が多くなってるけど、こんなお前をほって置けないだろ。」
「でも…あた「いいから黙ってろ。」…はい。」








数十分あたしはずっと航輔先輩の胸の中にいた。
彼女さんのことなんて忘れていた。
忘れられたんだ。この時は…