いや、人が倒れてるだけだ。
そうだ。うん。死んでない。
 
よし、このままスルーしよう。
 
 
 
乃亞は地面に倒れている死体(?)を横切ろうとした。
 
しかし、
 
「……見て、見ぬフリですか?」
「ぎゃあ!!ゾンビ!!!!」
 
倒れていた人がいきなり起き上がったものだから、乃亞は腰を完璧に抜かしてしまった。
 
 
「あはは。ゾンビだなんて失礼ですね」
 
倒れていたのは小学生くらいの少年だった。
しかし、やけに大人びいている。
 
 
「あんた何物?死体ごっこ楽しい?」
「死体ごっこなんてしてませんよ」
「あんた変質者か」
「……あはは。変質者だなんて言わないで下さい」