モラトリアムを抱きしめて

人の最後は、人生の縮図のような気がした。

母はそういう人間だった。

ただ、それだけの事。


「それでね、お葬式なんだけど……」

「……」

「これなんかどうかと思うんだけど」

おばちゃんはパンフレットを指差して言った。

正直、どうでもよかった。

昔からあの人よりも長く生きて、棺桶を蹴ってやるって決めていた。

死にたくて死にたくてたまらない時、呪文のようにいい聞かせて。

復讐が目標だったんだ。私の存在意義はここにしかない。

私の最後はきっと惨めだろう。


足掻いて足掻いて、死にたくないと縋るんだ。