モラトリアムを抱きしめて

今、目の前を覆っている水分は、嬉しいからだ。

恨む理由がなくなった。

もう、悔しくもないのだから。

未来は希望で満ちあふれている。


風が止んだ。

これからも私の人生だ。

ゆらゆらと天に昇っていく白い煙はスラッと長く、色白で美しく儚い母そのものだった。

空を仰ぐと少しの涙は冷え、冷たい頬に染み込んだ。