懐未―natsumi―



「すみません...少々お待ち下さい」


まだハンディに慣れない私は、中原先輩に笑われながら、ゆっくりオーダーテイクをした。


その間、瞬人はちょっとイライラしながら、あたしを見ていた。


「崎ちゃん、何歳やったっけ?」

「はい、私19歳です」


そっかー!と言う中原先輩をよそに、


瞬人が

「何や、一個下か」

と、少し意外そうに呟いた。



「崎ちゃん、瞬人は同じ大学やで!俺、今カラオケで働いてんねんけど、こいつも同じバイトやねん」


その時は、へぇー。同じバイトの人なんだー。

ぐらいにしか考えてなかったんだ。