「……はぁ…」 もう一度だけ、 ため息を吐いた。 胸の痛みを抑えながら、僕は教室を後にした。 早く帰らないと、仲直りをしたあの二人が、僕の傷口に塩を塗って来るだろう。 今日の“罰”だけで、僕の心はぼろぼろで。 今は堪えられなさそう。 明日からだって、いくらでも塗られるんだ。 だから、今だけは勘弁して。 僕は、 少し早足で校門を抜けた。