「じゃあな」




僕は短くそう言うと、電話を切った。


電源まで切った。






ここまで言えば良いだろう。


言い過ぎたって良くない。


あとは二人が考えなければならないことだ。






「……はぁ…」







誰もいない教室。

さっきまであの子といた教室。




無音の携帯。

さっきまであいつと話した携帯。








神様。


僕への“罰”はもう済みましたか。





神様。


どうか、あの二人を幸せにしてあげてください。