さてと――何を織ろう?

小さなタペストリーくらいならいけるかな?


とはいえ、タペストリーを織った事があるわけじゃない。

見よう見まねで、横糸を通して絡めていく。


しばらくするとリズムに乗ってきて、楽しくなってきた。

夢中で織っていると、母がやってきた。


「サンディ、繕い物は終わったの?」


「うん。ベッドの上に置いてある」

あたしは織り機から目も上げずに答えた。


「もうすぐお昼よ」


「お腹空いてないからいらない」


母は何やらブツブツ言っていたけれど、あたしの耳には入らなかった。


亜麻糸の上に絵が織り上がって行く。


まるで下絵がそこにあったようだ。


万華鏡のような葉の間に、オレンジ色の尻尾が見えてきた。