幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~

昨日あんなに泣いたのに、また泣きそうになる。

涙って涸れないものなのかな……


気がつくと、ホークの腕の中にいた。

ホークの手が、あたしの背中をあやすようにさする。

ふと、懐かしい気持ちになった。

小さい頃あたしが泣くと、ホークはこうやって宥めてくれた。

どうして時は過ぎ去ってしまうのだろう?


「月並みな台詞を言ってほしいか?」

ホークが言う。


「『もっといい男が現れる』――とか? いらない」

あたしは鼻を啜りながら笑った。

「あたし、ショーンを好きになったことを後悔してないもの」


「ああ、そうだな」


「相手がローズマリーだものね。あたしの代わりに、ショーンを幸せにしてくれる――やだな。あたし、自分に言い聞かせているみたいだね」


「言い聞かせているのさ。頭で分かっているのと、心で感じる事は違うからな」