首を傾げるあたしに、おばば様は布を指差して言った。

『縦の糸は時、杼(ひ)は人間じゃ。こうやって時の間を人が走り抜けて、世界が出来上がって行くんじゃ』



――あたしはこの世界で、どの色を選び、どんな模様を織り上げて行けばいいんだろう?