「ははあん。わたしにもやっと分かりましたぞ」

髭の伯爵が頷きながら言った。

「ですが陛下、その後、王妃様を本当に帰されるのですか?」


「まさか。その頃には懐妊しているだろうから、会いたければ舅殿の方から来ていただかなくては」


再び部屋が静まり返った。


「王妃は余を慕っているのだそうだ」

王様は、皆が驚いているのを楽しんでいるようだった。

「驚いたか? 一番驚いているのは余だとは思うが」


「女心は理解できないな……」


「聞こえたぞ、リー。玉座ではなく余に惚れられたのは初めてだ。気分がいい」

王様は珍しくニッコリと笑った。

「ところでホーク」


「ダメです」


「まだ何も言っていないではないか」


「侍女は他をあたって下さい」