幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~

王の家臣であるホークには、何も出来ないかもしれない。

それでも、あたしにとってホークは、信頼できるただ一人の人、最後の頼みの綱なんだ。


「もう?」

ホークは眉を上げた。

ホークにとっては、予想していた事なんだ、きっと。

「誰が来た?」


「レディ·クリスタル」


ホークは舌打ちをした。

「隣国との開戦は時間の問題とはいえ、まだ小競り合い程度なのだが」


「じゃあ、ホークは何でそんな格好なの?」


「諸侯には戦への召集がかかった。わたしも呼ばれている」


「王妃様は……王妃様はどうなるの?」


ホークは周りをぐるっと見回した。


たぶん、

あたしを含め、そこにいた全ての尼僧が懇願する目で彼を見ていただろう。


ホークはやれやれというように苦笑した。