幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~

院長の懸念通り、王妃様はいい顔をしなかった。


「退出は許しません」

王妃様は珍しくピシャリと言った。

「そなたの望みは何でも聞いてきたではありませんか」


その通りだ。


「ですが王妃様」

院長が静かな声で言った。

「アレクサンドラは、庇護者であるアルス伯の言い付けに背くわけには参りません」


「ジェニスタ、紙とペンを。アレクサンドラをわたくしの侍女として出仕させるように、わたくしから正式にアルス伯に命じます」


院長は眉をひそめた。


「アルス伯は王の重臣でございますよ」


「わたくしは王妃です。たとえこのような場所にいても。下がりなさい」


「御意」


院長はうやうやしく頭を下げた。


あたしは困ってしまった。