絵ではない。


あれは――?


あたしは"それ"に向かって歩き出した。

誰かがあたしを止める声がしたけれど、あたしは何かに引き寄せられるように小走りで進み続けた。



そして



「見つけた」

あたしは呆然として呟いた。


突き当たりの壁に"それ"はあった。


ジャルグがあたしに見せようとした物。


それは壁一面を覆う、大きな幻獣のタペストリーだった。