「それじゃ」


あたしは部屋を出て行こうと、ドアに手をかけた。


「待て! 待ってくれ」


振り向くと、立ち上がったホークが笑いだした。


「いったい何をしに来たのだ?」


「ただ、顔を見に来ただけ」


ホークは呆れたように頭を振ると、手を差し出した。

「こちらにおいで」


あたしはホークの側に歩いて行き、その手に自分の手を預けた。


「許してくれたと思っていいのかな?」


あたしは頷いた。


「避けられるくらいなら、今まで通りでいい」


ホークはささやくようにそう言うと、あたしの額に短いキスをした。


なぜか胸が痛んだ。


でも、これでいい。