幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~

「ジャルグ!」


一瞬、手元が赤く光って、あたしの腕を何かがはい上がって来た。


――どうした、嬢ちゃん?


「友達がヒュドラがいる場所に入り込んだかも!」


あたしは、少し開いた納屋の入口から中を覗き込んだ。

扉のすぐ内側の地面にローズマリーが座っていた。

少し離れた所に、多頭の蛇が数匹いる。


「ローズマリー? 大丈夫?」

「サンディ、上! 気をつけて!」

「何? ――うわっ!」


ジャルグが落ちてきた蛇に向かって火を噴いた。

黒く焼けた蛇は、地面に落ちて動かなくなった。

見上げると、納屋の梁はヒュドラの群れに被われていた。

ヌメヌメと光る細長い体がうごめいている。

あたしは慎重にローズマリーに近付いた。


「足を噛まれたわ」

ローズマリーが冷静に言った。