「ローズマリーを探して来たいんだけど」

「行っておいで。ただし、日没前にはわたしの所に戻って来い。暗くなってからお前を探すのは骨が折れる」

「そう?」

「ああ。お前ときたら、たいていはとんでもない所にいるからな」


あたしはホークの脇腹を軽く小突いて、逃げた。


アルス村の広場は人であふれていた。

誰もが晴れ着を着ている。


歌う者。

竪琴を弾く者。

踊る人達。


ところどころにあるテーブルには、それぞれの家が持ち寄った料理やお菓子が乗っている。

ワインはホークからの差し入れだ。


広場をブラブラと歩いているうちに、ショーンを見つけた。


「サンディ」

ショーンが手を振る。


「こんにちは、ショーン。ローズマリーは?」