「あたし、ローズマリー以外の人とショーンが一緒になるなんて許せない」


「あたしだってそうよ」



――おおい、ローズマリー! サンディ嬢ちゃん!


階下からローズマリーのお父さんの割れ鐘のような声がする。


――お前達の婿が来てるぞ!


「ショーンだわ!」

ローズマリーが弾かれたように立ち上がる。


「あっ、ずるい! 待ってよ!」


二人で階段を駆け降りると、鍛治屋の店先で照れたように赤面しているショーンがいた。


「やあ、お二人さん」

ショーンは笑顔で言った。

「えーと……修理を頼んで道具を受け取りに来ただけなんだ」


「なぁんだ、遊びに行こうって誘いに来たのかと思ったのに」

ローズマリーががっかりしたように言う。