『どうして帰りがこんなに 早いのか聞かないの?』 『皐月だってもう16だし お兄ちゃんに聞かれたくない事の 一つや二つあるだろう。』 『まぁ…そうだね。』 別に康平に隠し事なんて 私がするわけないんだけど。 まぁわざわざ話すことでもないから 適当に流しといた。 『皐月なんか変わったな。』 そう言いながら康平は また読んでいた雑誌を開いた。 『私、なにか変わった?』 康平の言っている意味が 私には分からなかった。