各駅停車 ~あなたに会いたくて~【短編】

「じゃあ、あたしはこれで・・・。」


 あたしは軽くおじぎをして、彼のそばからはなれようとした。



「ちょっと、待って。」

 ふいに彼があたしに話しかけた。


「きみ、いつも同じ電車に乗ってる子だよね?」



「はい。」

あたしはうなずいた。


彼があたしのことを覚えてくれていたことが、嬉しかった。



「これ、大切な物なんだ。どうもありがとう。」

彼はそう言って、静かに微笑んだ。