「今日はボイトレだよ」
「ボイトレ? あ、胡桃ちゃん、CD出すんでしょ?買うね♪」
「……ありがとっ」
でも何気に、一緒にいて楽だと、
感じるのは絶対、
気のせいなんかじゃない。
ただ、
認めたくないだけ。
『なんでAyuなの?』って
思っちゃってる自分が確かにいて…。
あたしは、
探しているのかも知れないね。
自分でも無意識のうちに。
媚びることもなく、“対等”に、
話してくれる子をー…。
「で、何か用があったんじゃないの?」
「えっ? あ、そうそう!!あたしね、2時間ドラマに出演が決まったんだ!!」
と、Ayuは嬉しそうに言った。
「そうなの? 夢に一歩近づいたね!!」
Ayuは元々、女優志望で。
だけどオーディションに
落ちてはがりで。
諦めかけてたときに希望さんに
拾われて、
タレントになったんだって、
前に話してくれた。

