帰宅部の俺は、まっすぐに自転車置き場へと向かった。
すると、そこで声をかけられた。
「お~い、ダ~イチ!」
「あん?」
…そいつは、同じクラスの田中陽太郎(タナカ・ヨウタロウ)。
一言でいうと、…明るいオタク?
「ねぇねぇダイチ、今週の『ジャングル』読んだ!?アレ、すっげ~面白かったよな~!!まさかあんな展開になるとは、思ってもみなかったよ…!!」
コイツが言ってるのは、『週刊少年ジャングル』の超人気マンガのこと。
「あ~、読んだよ。だな。すごかったな」
俺はサラッと返事をした。
「…って、えぇッ!それだけぇッ!?何でもっとコーフンしないのォ!?」
「あんなことが現実にでも起こりゃあ、コーフンするだろうよ。けど所詮、マンガの世界だろ。そんなの作者が頭ん中で作った、姿形もない架空の世界じゃん」
「…ダ、ダイチ、お前、ど~してそんなに冷めてんだよぉ…!!」
陽太郎のことは無視して、俺は自転車にまたがると、さっさと走り去っていってしまった。
「ちょッ、ダイチ~!!」
「……」
