『ユウちゃんは、大きくなったらダイチくんのお嫁さんになるんだもんね~!』


…小さい頃、よく周りの大人たちからそう言われていた。


もちろん、本人である私自身が、いつもそんなことを言っていたからだろう。


昔から隣同士、家族ぐるみで仲が良かった私の家と大地の家。


もうほとんど、同じ家族みたいなものだったように思う。


けれども、血がつながっていない他人同士であることはわかっていたから、私はまるで当然のように、大地と自分が、いつか結ばれる運命にある、王子様とお姫様なんだって…、そう、勝手に思い込んでいたのかもしれない。