「どこかで必ず演奏は終わってるんだろうけど…、それが壮大なバラードだったり、感動するような曲であればあるほど…、その、どんどん遠のいていく旋律を、聞こえなくなるまで聞き届けるのが、なんだかものすごく、切なくなったりするんだよね…」 「…うん。わかるよ、僕にも何となく…」 「…小説とかの世界もさぁ、それと一緒で…、形のない、その存在自体が儚くて…、こんなにも人の心を揺さぶるのに、それがどこにも実在しないなんて…、そう思うとなんだかすごく、胸が苦しくてしょうがないんだ…」 「……」