…その日の放課後、僕は陽ちゃんと、しばらく教室に残っていた。


陽ちゃんは今日一日、ずぅっとボ~ッとしていた…。


そして今、陽ちゃんは、机の上にうなだれて、どこか遠くを見ている。


僕は自分の席に座って、そんな陽ちゃんをそっと見つめていた。




「…ねぇ、キヨちゃん…」


「…ん?」


「…例えばさぁ、好きな音楽聴いてて、…だんだん小さくなってって、フェードアウトして終わっていく曲ってあるじゃない…?」


「…うん」


「…ああいうのってさぁ、オレたちの知らない、CDの向こう側では、どんなふうにして終わっていくんだろう…、って思わない?」


「…うん、そうだね…」