…あの小説を書いた絢さんという人が、果たしてカゼアヤさんかどうかは、わからない。


「風絢」で検索して、「絢の風」というブログが引っかかったというだけであって、別にそれがカゼアヤさんであるという可能性が高いわけではない。


そもそもあのカゼアヤさんが、ブログ自体やっているかどうかもわからないのだし…。




けれどもオレは、あの小説の世界に、美月ちゃんという存在に、なんだかものすごく、心を奪われてしまっていた…。


実際にいもしない美月ちゃんという人のことを思うと…、オレは、どうしようもなく胸が張り裂けそうな気持ちになるのであった…。