…そんな冒頭の文から始まる小説だった。
オレは、少し読み進めてみることにした。
…主人公の少女・美月(みづき)には、親の再婚によって出来た一つ年下の義理の妹・日和(ひより)がいた。
同じような境遇で育った義姉の美月に対し、妹の日和は親近感を抱くが、美月はこれまでの様々な経験から心を閉ざし、何かと気にかけてくれる日和にも、なかなか心を開こうとはしなかった。
…やがて、二人は成長し、高校生になる。
美月が高二になった時、日和は美月と同じ高校に入学してきた。
いつも一人ぼっちの美月と違い、日和は明るく、いつもたくさんの友達に囲まれていた。
それでも日和は、変わらず美月のことを気にかけてくれていた。
美月は内心、そんな日和を愛おしく思い、言葉には表せないものの、感謝していた。
そんな日和は、いつからか美月にとって、宝物のような存在になっていた。
日和を誰にも渡したくなかった。
